9月11日(日)、静岡県の富士スピードウェイでFIA WEC世界耐久選手権第5戦富士6時間の決勝レースが行われました。
D’station Racingの777号車アストンマーティン・ヴァンテージAMR GTEは、予選で4番手につけるも、ダブルイエローフラッグ提示時に速度を落とさなかったとして全タイム抹消のペナルティが課され、この日の決勝レースは最後尾からスタートを切りました。
今回もD’station Racingは藤井誠暢選手をスタートドライバーに据えましたが、勝手知ったるホームコースでオープニングラップから躍動。1周目に一気に6台をかわすと、11周目には2番手へ。さらにトップを走る98号車アストンマーティンにプレッシャーをかけミスを誘い、14周目にはトップに浮上しました。
藤井選手は1時間強を走りピットインし、星野敏選手に交代すると、好調なラップタイムでブロンズドライバーをかわし、ふたたびトップに浮上します。このスティントでプロドライバーを投入してきたライバルたちにはかわされたものの、表彰台圏内を見据える順位につけ、さらに燃料がわずかになるまで走り続ける力走を2スティントこなし、ブロンズドライバーの規定の時間以上のラップを走り切りました。
この星野選手の力走が実り、交代したチャーリー・ファグ選手は3番手を見据える走りをみせていきます。155周目にピットインした際にはスプラッシュに切り替え3番手に。さらに後方からの追い上げに備え、最後のピットインではタイヤ交換と給油をこなしフルプッシュ。212周を走破し、ホームレースで3位表彰台を獲得しました!
D’station Racingにとって昨年のモンツァ以来となる表彰台ですが、今回のレースはセーフティカーやフルコースイエローが一度も出なかった一戦。実力でもぎとった3位で、ドライバーたちにとってはさらに喜びを倍増させました。
■星野敏選手コメント
「予選でのどん底から藤井選手があっという間にトップに立ってくれて、引き継ぐ方もプレッシャーがあったのですが、『これは頑張らなければ』と気合を入れていきました。ダブルスティントをこなしたのですが、どちらもフューエルランプが点くまで走っていたので、走り切ったな……という感じですね。走りとしては満足していますし、何より富士での抜き方、抜かれ方も分かっていますから。これは地の利ですよね」
「今回たくさんの応援団が来てくれて、予選の後には本当に申し訳ない気持ちや悔しさがあったのですが、まさかこんな結果が残せるとは思いませんでした。昨年のモンツァはラッキーもありましたが、今回は何もなかったので、実力で3位になれたと思っています。ご声援ありがとうございました」
■藤井誠暢選手コメント
「今回はいつも以上にファーストスティントでプッシュしましたし、星野選手もチャーリー選手もすごくペースが良かったです。すべてが良かったことで、3位表彰台に繋がったと思います。昨年のモンツァはラッキーがあっての表彰台でしたが、今回はセーフティカーもフルコースイエローもなく、ラッキーはないレース。しかも今回は最後尾スタートですからね。5位くらいに入れれば……と思っていましたが、実力でこの順位に入れたのですごく嬉しいです」
■チャーリー・ファグ選手コメント
「夢が叶ったね。今年WECに出た時点で夢がひとつ叶っているんだけど、表彰台は次の夢だった。僕たちはずっと良いペースがあったんだけれど、ル・マンでもモンツァでもトラブルが起きてしまった。今週は特に星野サンも藤井サンもペースが良くて、こうしてファンタスティックな結果に結びつけられた。自分にとっての初めての表彰台を、チームのホームレースで飾れて本当に嬉しいよ」